発狂練習

いち大学院生の嘆きの壁

研究室で最初で最後の業者さんとの接触

4月終わりから、私が研究室で研究をするということを前提とした初めての機器購入の話を進めていた。指導教員が許可したから進めた、というだけの話。

業者さんとやりとりしているうちに、業者さんは
「予算は先生の予算ですか、あなたの予算ですか」
と不思議なことを聞いてきた。なぜそんなことを聞くのか分からなかったけれども「先生の予算です」と答えた。
最悪の可能性としては、指導教員または院生・学生の誰かから業者さんに「あいつハメてやろうとしてるので協力して」という話が流れていたということも考えておかなくてはならない場面である。
私は以前、非常に内紛の多い企業に勤務していたことがあるのだが、業者さんには社内の内紛については話さないようにしていた。今回もそのようにした。業者さんに対して「ちゃんとした会社」の顔を見せるのが社員の役割であろうと思ったからだ。私が巻き込まれた内紛を業者さんが知っていたら、敵が漏らしたということである。敵はみっともない会社のみっともない自分を業者さんに晒していたわけだ。勝手にしろ、と思っていた。

その数日後、研究室を異動する可能性について、責任ある立場の方と話し合いをした。その結果はまだ判明していないのだが、気になったのは、業者さんと進めていた機器購入の話だった。こういう場合、業者さんに動きを感づかれないように、それまでと同じように進めるのがよいのだろうか? それとも、率直に知らせた方がよいのだろうか? 悩んだので、責任ある立場の方に相談してみた。その方の意見は
「購入しても使えなくなる可能性が高いので、購入手続きをストップさせるべし」
というものであった。私はそうした。研究室の事情で購入手続きを中断することになったこと、それまでの調べ物等への感謝を告げた。
そして、すっきりした気分になった。その研究室の予算の使い方には、大学の研究室というものをいくつも見ていた私からみても疑問の感じられる点が多かった。いつ、科研費不正で問題になっても、あまり不思議ではない(科研費の使いづらさを緩和する目的でのちょっとした不正、やってない研究室なんてほとんどないと思うけど)。私は巻き込まれずに済んでよかった。